経営者の仕事
経営者は常に自分の頭で物事を考えながら絶えず決断を繰り返し取捨選択をしていく頭脳労働が主な仕事です。
労働者側からすると一見楽そうに見えるでしょうが、毎年毎年、事業計画を練り売上・利益を確保しつつ、新規事業にも力を入れ、資金繰りにも気を配りながら、従業員とその家族の生活も守っていかなければならないのですから大変な重圧があります。
起業家や経営者は一つ舵取りを間違えれば倒産のリスクもありますからね。
労働者の仕事
労働者は経営者が考えた仕組みの中で仕事を割り振られて、その与えられた仕事の中で働きます。
新事業を行う場合でも大抵の場合、社長である経営者と専務や常務で物事を決め、取締役⇒管理職へと意思決定を伝え、その後一般社員へと伝達されていき、管理職以下は自分の時間と引き換えに労働力を会社に提供し毎月の給料を与えられる訳です。
概ね日本の会社はこのようなトップダウン方式ですから、労働者は主体性・自主性が育たないケースが往々にしてあります。
このような環境にありながらも与えられた仕事だけでは物足りなさを感じ、自ら職場の改善に乗り出す人も出てくる訳ですが、この層が起業に向いている層ともいえます。
いくら画期的な案を出そうとも所詮は会社で働くサラリーマン。全部が全部、自分が思うようには運びません。社長が乗り気になっていても、会社が大きければ大きいほど勤続年数の長い保守的な社員達からは反対されるのがオチで、仮に案が採用されたとしてもスローペースですから、仕事のできる人達にしてみればもどかしさを感じるでしょう。
その点、起業する場合は全て自分の意思決定の元で進めて行くことができますからスピード感が違います。
起業にリスクはつきものだけど舵取りは楽
当然ながら起業にはリスクはつきものですが舵取りは楽なのです。
しかし、この辺りの構造は、目の前の仕事をこなすだけに精一杯になっている一般社員ではわからないと思います。最低でも管理職クラスにならなければ経営陣の考えに触れることさえ難しいでしょう。
起業する前に社会人経験を積もう (経営を理解すればリスクは抑えられる)
起業するにあたってはできれば、管理職クラスまで経験して経営面のことも理解できるようになってからの方が上手く行きやすいです。
最近では大学卒業後にどこにも就職せず、いきなりフリーランスになったり起業する人もいますが、このケースで上手く行く人は本当に才能のあるごく一部の人だけであって、大抵1年もしない内に挫折しています。
そうならないためには大学卒業後は一旦、企業に就職し社会人として経験を積み、会社の仕組みや経営を理解してから起業する方が、リスクを最小減に抑える事もでき成功の確率も上がります。
起業家・経営者には様々な資質・問題解決能力が必要
起業するにあたっては自分の考えた仕組み、もしくは既存の事業から自分の考えに合うものを選んでいくことも必要になりますから客観的な視点や柔軟性も必要です。
また会社に守られている労働者とは違って、起業すると売上・利益の確保や資金繰りの問題の他にも様々なトラブルに見舞われることもあります。
そういった時には問題を1つ一つ解決していく能力が問われ、自分では対応不可能な事は専門家に依頼する判断も下さねばなりません。
起業や経営はやりがいはある反面、様々な資質や能力が必要で労働者とはまた別の大変さがあるのです。