フリーランスから会社員に戻るのが難しい理由

フリーランス

私は会社員・自営業・フリーランスの全てを経験し、この中でも会社員生活が一番長くフリーランス経験が一番短いのですが、それでもフリーランスから会社員に戻るは最も難しいと考えています。

今回はその理由をお教えします。

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会社員・自営業・フリーランスには大きな違いがある

会社員・自営業・フリーランスの中で最も自由で楽なのがフリーランスです。

同じ個人事業主である自営業者もフリーランスと同じように思われるかもしれませんが、似た部分はあるものの働き方は全く違います。

自営業には様々な種類がありますが、飲食店や何かしらの店舗を運営する場合には営業時間中はずっと店内に居て働く必要があります。その点はオフィスワークの会社員と似ています。

ですから、ある意味フリーランスから会社員に転向するよりも自営業から会社員になる方がスムーズにいくと思います。

しかし、フリーランスの場合には、常駐型のエンジニアのような働き方さえしなければ、朝は好きな時間に起き、通勤の必要もなく、好きな時に旅行に出かけることもできます。

はっきり言ってしまえば、仕事量は自分で全て調整出来てしまうので、週に2日しか働かず週休5日制という選択もできてしまうのです。

しかし、会社員に戻れば完全週休二日制だったとしても、平日は満員電車に揺られて朝早くから夜遅くまで働く必要があり、会社によっては内勤者はお昼休みもランチに出かける事さえ制限されてしまう可能性もあります。

今まで自由にやって来たフリーランスに、そのギャップを乗り越えることができるでしょうか?

私は難しいと思います。

切羽詰まった状況にならない限りフリーランスから会社員への転向は難しい

ですから生活に困るなどの切羽詰まった状況にならなければ自由がきくフリーランスから会社員に転向することはまずないでしょう。

フリーランスとはおそろしく自由に働ける魔物のような職業なのです。

経営者的働き方から、いきなり労働者になる事への順応が難しい

これはフリーランスと自営業に共通しますが、どちらも自分が個人事業主な訳ですから、何から何まで自分で決めることができます。

立ち上げから、仕事の選び方、事務処理や確定申告に至るまで全てが自分の裁量で決められます。

しかし会社員に戻ると、そうは行きません。仕事も上司の指示の下で行うことになり、何か機材を揃えたくても自分の意思で購入することはできず、全て稟議書でお伺いを立てなければならないのです。

経費にしても個人事業主の場合には仕事で必要となる駐車料金や事務用品などでも経費で落とせますが、会社員となると少額の場合は自腹なんてこともよくあります。

会社員経験しかない社員とは考え方が違い過ぎて職場に馴染める気が全くしない

一度でもフリーランスや自営業者になると経営者感覚が身に着きます。

そなると無駄な努力や方向性の違う努力を美徳とも思えず、常に効率を重視してしまいます。

この辺は会社員しか経験のない人には理解しがたいものだと思いますが、たまたま訪問しただけの会社でも従業員の働きぶりや顧客対応がいちいち気になったりもします。

要領を得ない会話を繰り広げる社員や商品知識のないスタッフを見ると「もっとこうすればいいのに」なんてことを自然に考えてしまうのです。

完全に社長としての考え方になってしまうので、会社員に転向してもその会社で働く従業員とは全く違った思考になっているため話も合いません。

おそらく、会社の従業員達からしても後から入社した社員に次々に無駄な事を指摘されるのが嫌だったり、仕事の進め方についてもとやかく言われたくないという気持ちもあるでしょうから、フリーランスが中途入社したところで自分を出せば出すほどに上手くやっていけない可能性が高まります。

謙虚な気持ちで働いて周りに合わせればどうにかなるでしょうが、フリーランス経験者ならそれは大きなストレスになるでしょう。

成果主義とは程遠い会社員の仕事そのものが苦痛に感じる

フリーランスと会社員で大きく違うのは成果が重要視されるか否かです。

フリーランスは個人事業主なので、成果さえ出せれば月に2~3日しか労働しないなんてこともできてしまうのです。

しかし、会社員の場合はどんなに効率良く仕事を終わらせ目標を達成しようとも、最低限毎日決まった時間は働く必要があり、効率良く働き過ぎると上司や同僚の仕事がたくさん回ってくるようになり年を追うごとに責任も重くなっていきます。

大抵の会社の場合、仕事量は平等ではなく、必ずしも給料に比例するわけでもなく、できる人に多くの仕事が回ってくるようになっています。 しかし会社員の場合は人の2倍の成果を出しても2倍の給料を貰うことはできません。

会社員から別の会社に転職する場合には、どこの会社もこんな感じだと割り切れますが、一度でもフリーランスを経験してしまうと、この辺の矛盾が気になってしまい、理不尽な仕組みに耐える事ができなくなります。

会社に付き物の出張・転勤が嫌だ!

そこそこの規模の会社に入ると会社の命令で出張や転勤があります。

中には上司からの出張命令があれば例え熱があっても休むことは許されず従うしかないような会社もあります。

その点、フリーランスになれば自分で取引先や仕事を選べますから会社都合の出張や転勤がないため好きな時に好きな場所で気楽に働けます。

特に出張が多く2~3年に1度転勤辞令が出るような会社に勤務していた人であれば、この差は大きいと思います。

フリーランスになるなら二度と会社員に戻らないという強い意志で望みたい

会社員が拘束と引き換えに餌を貰える飼い犬なら、フリーランスは自分で餌を手に入れるライオンのようなものですから、いくらお給料を貰えてもそう簡単に手懐けられない状態になっているのです。

ですから、フリーランスになる場合にはもう二度と会社員に戻らないつもりで、ひたすら効率よく働き、稼ぎ続ける必要があるのです。

そのためには、会社員以上に常に学び続け新しい情報に触れるためにアンテナを張っていなければならないのです。

それでも生活が立ちいかなくなれば会社員に戻ろう!

フリーランスや自営業者になる人は行動力もありプライドも高いです。それ故、一度その世界に踏み込んでしまったら、再び会社勤めに戻る事に抵抗を持ってしまいがちです。

ですが背に腹は代えられません。生活が立ちいかなくなった時には転職情報を利用し潔く会社員に戻りましょう。