あなたの周りにもありませんか?新しくできたばかりのカフェや飲食店が半年後にはなくなっていたなんてことが・・・。新店がオープンしたと思ったら人知れず廃業していく店もあります。今回はカフェ開業失敗の原因を掘り下げていきます。
カフェ開業で失敗する理由
カフェや飲食店を始めるには難しい資格を取得する必要もないことから参入障壁が低く、やる気とお金があれば誰でも開店出来てしまいます。
その結果、想定が甘い人までもが飲食業界に参入し、売上が伸びず利益が残せずやがて資金繰りに行き詰って廃業するというパターンが多くなり、そのことがカフェ開業で失敗する最大の理由の1つとされています。
しかし実際には味や立地以外にも実に様々な廃業理由があります。
それでは今から売上が伸びず廃業になるケースやその他の理由で廃業するケースをみていきましょう。
集客ができていない
いくら美味しい料理を提供できる腕があっても、お客様に来てもらわない事には、それを知らせる術がありません。
まずはオープン時にどれだけ集客できるかがカギになります。
オープン時に来てくれたお客様にとって満足度の高い料理やサービスが提供できれば、2度3度と足を運んでくれるはずですが、味がイマイチもしくは味はそこそこだけど料理が高すぎる場合にはいくら立地が良くても厳しい未来が待ち受けることになるでしょう。
味がイマイチの店が意外に多い
私は年間数十件は様々な飲食店やカフェに行きますが、素人が作ったような料理が出てくる店もあります。素人といえばまだ聞こえはいいですが料理の経験がないような高校生が作ったようなランチが出てきたこともあります。
具体的には焼き魚があり得ないくらいに焦げていたり、豚肉が中まで焼けておらず表面以外はピンク色だったりといった感じです。中学校の調理実習で作るほうがまだずっと美味しいというレベルで、雇ってすぐの料理の経験のないバイトに作らせているような店もあります。
たまたま、その日店長が居なかったことでそうなったのかもしれませんが、さすがに初めて食べに行ってこの有り様だと次に来店しようとは思いませんから、こんな感じでお客様を逃していくのだと思いました。
それもこれも調理師の免許さえ持っていなくても、カフェや飲食店の料理は誰にでもできるという問題点があるからです。
社員教育ができていない問題
最近ではホテルのレストランでさえ社員教育がきちんとできていない場合もあり、従業員の接客態度が悪かったり、傷んだ苺をトッピングしたスイーツを平気な顔してお客様に出してくることもあります。
スイーツや料理については調理師免許を持っている人や衛生面の講習を受講した人なら誰でも気付く部分ですが、フルーツの盛り付けは無資格のバイトにさせていて、それを確認する人もおらず、そのままホール係の一般常識のないバイトがなんの疑いもなくそれを客席にまで運んでしまうという有り様なのです。
社員教育ができていれば誰かが気付いて注意するはずですが、それさえできていないことから傷んだ果物をお客様にお出ししてしまうのです。またそんな状態でお客様からお金を貰うことをホテルの恥とも思っていないのです。
やはり、こういったバイトを雇っているとホテルの信用もなくなっていきお客様も減っていきますから、最低限の常識くらいは最初に教育しなければなりません。
家で作れるレベルのランチ・ドリンクなのに値段が高く割高感がある
最近は、おしゃれなカフェが一気に増えましたが、本当に趣味感覚で初めてしまった女性達が作るランチは家で作れるレベルのものだったりします。
それでも値段が適正であれば、作るのが面倒な時や人に会う時など、店内の雰囲気さえ良ければお客様も来てはくれますが、何の工夫もないランチやドリンクを高い値段で提供されると割高感がでてしまい客足が遠のきます。
具体的な事例としては他店では700円~800円で提供しているような簡易的な軽食を2,000円以上の値段で提供しているような店もありますが、こういった店舗の多くは1年前後で潰れてしまっています。
リピート客が少ない
カフェや飲食店に限らずですが、どの業種もリピート客で持っていると言っても過言ではありません。ですからリピート客が少ないとジリ貧になってしまいます。
店の売上を伸ばすにはリピート客と同様に新規客も増やす必要はありますが、新規客を増やすためには高い広告宣伝費が必要になってきますので、なるべく一度来てもらえたお客様には2度3度と足を運んでもらうようにしたいものです。
新規客が来ない
どんな店も売り上げのほとんどはリピーターからもたらされるものですが、リピート客も生活の変化や引っ越しなどでいつまでも来てくれるとは限りません。
ですからどうしても一定数の新規客は必要になるのです。
対策:広告宣伝を定期的に行い新規客を獲得
そのためにはインターネット広告や新聞折込チラシでの広告宣伝を定期的に行い新規客を獲得していかなければなりません。
実は立地が悪かったというケースも
立地のいい場所を調べて出店しても、問題行動を繰り返す人達の集団に朝から晩まで毎日居座られたり、お客様のフリをして入店して毎日のようにトラブルを起こす集団の迷惑行為で客足が遠のき廃業を余儀なくされることもあります。
中にはその集団の勧誘を断ったことが発端となり、大人数の食事の予約を入れては予約時間を過ぎてからキャンセルをするといった行為をその集団から繰り返し受けて店に直接的な損害を与えられたケースもあるようです。
ある通りでは、そのせいでわずか2~3年以内に10件以上の店が潰れていったこともあるそうです。
通常、こういった迷惑行為は何らかの罪になるはずなのですが、その集団の表向きの目的が勧誘行為だった場合には警察も介入し難いらしく解決は難しいようで、後々のトラブルを避けるために、やむを得ず撤退を選択するケースもあるようです。
出店前にいくら調査していても、こればっかりは実際に店を出してみないことにはわかりませんから難しいですよね。
内外装にお金をかけすぎて資金繰りに行き詰るパターン
カフェのコーヒーやドリンク類は粗利は高くても客単価が低いため、相当な数を売らなければ家賃や人件費や水道光熱費を賄うことができません。
そう考えると最初にあまり内外装にお金をかけすぎて借金をしてしまうと、借入金の返済に四苦八苦して10年経っても回収できないなんてことにもなりかねません。
最初の店は小さくてもいいので、資金繰りに行き詰ることのないように金銭面で無理をしない事が大事です。
人手不足の問題
最近は人手不足から調理経験者の採用が難しくなってきています。
その場合オーナー自らが調理する必要もでてきます。
そうなってもいいように出店する気があるのならば前もって料理の腕は磨いておいた方がいいです。
また、バイトを雇うなら時給を高くしてでも名門大学や国立大学の学生を雇った方が、覚えが早く安心して仕事を任せることができます。特に将来学校の先生を希望している教育学部の学生は1度説明すれば仕事は全て覚えてくれますし、礼儀作法の面でも安心できる子が多いのでおすすめです。
また、バイトが思うように集まらない場合は短時間勤務でもいいので主婦の方をパートで雇えば気配りもできて簡単な盛り付けなども率先してやってくれます。
不測の事態に備えておこう
私のように黒字化していても突然の交通事故に巻き込まれれば完治するまでに何年もかかり、その間、飲食店の仕事が一切できなくなることもあります。現に未だに手足が痺れることがあったり雨が続くと痛み止めを飲んでいても耐え難い痛みに苦しむ日々もありまして、飲食店どころか会社員としてもとてもまともに仕事ができるような状態ではありません。
私は開業から6年目で交通事故に遭いましたが、あれが開業から1年目や2年目だったら大赤字のまま店を閉める事になり怪我の痛みに加えて金銭的にも精神的にもかなりのダメージを負ったと思います。
カフェの開業での失敗といっても金銭面や味以外でも様々な要因が考えらるのです。
このあたりのことを全て理解して始めればリスクはある程度は抑えられるのではないでしょうか。