カフェ・飲食店物件の探し方
カフェや飲食店の物件の探し方は、不動産屋に依頼したりネットで検索する他に自分で見つける方法もあります。
車で走っていたり商店街を歩いてみるとどこかしらに空き物件を見つけることができますが、空き物件は、だいたい入口部分や窓に不動産屋が連絡先を明記していたりするので、その物件が気に入ったらその記載先の不動産屋に連絡してみて家賃や敷金を聞いてみましょう。
その物件が予算以内であれば内見の日にちを決めて早めに見ておきましょう。
その際に自分では見つけられない物件やネットには出ていない空き店舗物件の情報を不動産屋が握っていることもありますから2、3件見繕ってもらってまとめて見せてもらうということも考えておいてください。
まず物件探しの前に実際には大まかな場所や家賃を決めておかなければなりませんので、何を基準に選んでいくのかを次の項目で説明します。
物件の選び方
法人で莫大な資金があれば一等地に大きなカフェや飲食店を出店できますが、一般人にはとても真似できません。
多くの人は社会人になって働いて、自分でお金を貯めたり返せる範囲の借入をしつつ無理のない範囲で物件を選びます。
家賃を取るか立地を取るかで悩むところですが、家賃が高すぎると毎月の支払いが大変で、立地が悪ければ集客が難しくなるため、どちらも重要になります。
立地がよく家賃が手頃な物件があれば一番よいのですが、どちらかはある程度妥協する必要があります。
そんな時にはコンセプトに合う物件を考えてみたら良いと思います。
ターゲットやカフェのコンセプトから物件を考える
物件選びには家賃や立地も重要ですが「どのような特徴を持ったカフェにしたいのか?」「誰をターゲットにした飲食店にしたいのか?」も重要なポイントですよね。
一口に飲食店と言いましても実際に出店する人の思いや希望する物件は実に様々です。具体的にどのような意見があるのか見ていきましょう。
サラリーマンやOLをターゲットにしてオフィス街に出店したい!!
オフィス街は家賃が高い反面、集客は見込めそうですよね。
日替わりランチが充実していればリピート客も増えそうな予感がします!
食べていけるだけの無理のない範囲で一人で店を切り盛りしたいので、10席程度の小さな物件を探したい。
小さい物件なら家賃は安く抑えられますし、リピーターを掴めれば長くやって行けそうですよね。
若い世帯の多い新興住宅地周辺の物件で女性向けのおっしゃれなカフェにしたい!
新興住宅地に住む女性は新しくてオシャレなものが好きな人が多いですよね!
少し高くても良い食材を使うと口コミやSNSで広がりそうです!!
男子大学生に昼ご飯をガッツリと食べてほしいのでボリュームがあって低価格の定食屋を始めたい。
唐揚げ・ハンバーグ・カレーなどはリーズナブルな価格で提供できそうですが薄利多売方式になりそうですね。
大学近くの店舗での低価格路線なら改装や家賃にはあまりお金をかけられない可能性はあります。内装や設備をそのまま使える居抜き物件を探してみてはいかがでしょうか。
のんびりと家庭的な料理を振る舞いたいから空気の綺麗な場所で駐車場付きの田舎の一軒家を見つけたいわぁ。
田舎の物件は広くて家賃は安いところが魅力ですよね。
ただ、立地は良くないので、宣伝と口コミがカギになりそうですよね。
落ち着いた雰囲気で少人数限定のフランス料理を提供したい!!
一定数存在する富裕層は大きな物件ではなくても味や接客が良ければ料金が高くても通ってくれそうですよね。
小さな物件ならランチ・ディナー共に1日各5組限定(2名×1日合計10組=20人が5,000円のコースを注文すれば10万円の売上)で完全予約制にすれば食品ロスもなさそうです。
ハワイアンカフェを始めたい!!
地方の場合は市内に1件程度しかないようなハワイアンカフェなど一部の層から強い支持を得られるカフェでしたら、交通量や人通りはあまり気にしなくてもハワイの雰囲気が好きな人であればリピーターになってくれる可能性は高いです。
競合の少ない場所を選ぶ
例えば定年退職後に退職金を使って蕎麦屋を開業したいと考えていても、お蕎麦屋さんの競合が多い場所に出店するのは供給過多になりすぎる恐れがあります。
なるべく近くに競合する店舗のない場所で集客できそうな場所を選びましょう。
飲食店は2階以上の物件より1階の方が良い
ビルに出店する場合で2階以上のテナントを借りてしまうと、お客様から見つけにくいことから大きな看板を出したり口コミでお客様が増えるまでは広告宣伝費にお金をかける必要がでてきます。
カフェや飲食は建物そのものにも宣伝効果があります。出来れば人の目につきやすい1階の物件を探しましょう。
カフェ・飲食店を始める前に繁盛店に足を運ぶ
オーナー店長としてカフェや飲食店を開店してしまうと次から次へとやらなければならない事が出て来て、商売を軌道に乗せるまでは思うように時間が取れなくなります。
店を始めると決めた時から、あるいはその前から様々な時間帯で多種多様な繁盛店のカフェ・飲食店巡りをしておくことをおすすめします。
以下のことを見ておくと各店舗のメニューの価格や座席数から売上・粗利益などが見えてくるようになって、自分がお店を始める時のイメージもしやすくなります。
・モーニングやランチで何人くらいお客様がいらしているか?(座席数×回転率=客数)
・どんな料理をどのくらいの価格で提供しているか?(1日の客数×平均単価=1日の売上)
その他にも見るポイントがあります。店舗の規模や資金力はそれぞれ違いますから、外観や内装を真似することは出来ませんが繁盛店を回って参考にしましょう。
・外観や内装はどのような感じか?
・椅子は座りやすい? 居心地はいい? 空調は?
・接客は?
・料理の提供時間は?
・料理や店舗のこだわりポイントは?
・お客様達はどんな料理を注文している?
・その店舗の売りは何? 人気メニューは? 味はどうか? どんな材料を使っているか?
・新規客が多いのかリピート客が多いのか? 客層は?
・良い面・悪い面は?
保健所の許可が下りやすい物件とは?
集客面で望ましい物件と保健所から許可をもらいやすい物件とではチェックポイントが違ってきます。
物件選びの際には事前に必ず管轄の保健所に相談する必要がありますが、参考までに気を付けるべきポイントをいくつか書いておきます。
衛生上の問題でキッチンスペースとホールは区切られている必要があります。
保健所によっては床がコンクリートでなくても許可が下りるケースもありますが、掃除のしやすい耐水性素材の床である方が望ましいです。(床や内装は衛生面の問題もありますから耐水性素材が望ましいのですが業務用冷凍冷蔵庫のドレンホースからは排水もでますからね)
私の店舗はピータイル床で耐水性がありましたので、問題なく許可がおりました。
ビル内の一室で営業する場合であればトイレは共用のものを使うことができますから、ホール内になくても良いのですが、独立した物件でカフェや飲食店をする場合には、ホール内にトイレを設置しなければなりません。そしてトイレには手洗い場を作る必要もあります。
尚、キッチンスペースにはトイレを作らないようにしてください(稀にキッチンスペースにトイレのある物件がありますが、飲食店営業をする場合にはそのトイレは使えません)
以上のようなことからトイレと調理場は離れている必要があります。
不動産屋の選び方
不動産屋の選び方については下記の記事を参考にしてみてください。